井上ひさしさん

★写真は先週の夜桜です。
★劇作家の井上ひさしさんが亡くなった。
★肺がんとは聞いていたが、そんなに重いとは何故か思えなくて、あまりに急な事でショックを受けた。
★あれは1900年代の終わりだった。
★初代の劇作家協会の会長をされていた頃、何回かお話をさせていただく機会があった。
★劇作家としては当時無名の(今でも無名と言えば無名だが)小生にもわけへだてなく、色々話して下さったり、相談事まで聞いて下さった。
★当時ラジオドラマや中学生日記等の仕事は、そこそここなしていたが、本来やりたいと思う芝居が中々やれない状況で、そのいら立ちを相談したと思う。
★「それはね、それぞれ役目とか天の時のようなものがあるんですよ。その時その時で精一杯頑張れば道は開けます」と言うような事を言われ、本当に希望が湧いた。
★目の前の仕事に集中して頑張ろうと思った。
★やがて、小生はラジオドラマ「枝の上の白色レグホン」で芸術祭の大賞を取った時「お陰さまで賞が取れました」と報告したら井上さんはよろこんでくれて「それは良かった。賞というものは中々とれるもんではないんですよ。何かお祝いをしましょう」と言ってくれた。
★その言葉だけで嬉しかった。
★そして、何日か経つと神田の金ペン堂の万年筆をお祝いに贈っていただいた。
★ほんとうにうれしかった。
★井上さんは小生のような井上さんから見たら無名の劇作家にも、ほんとうにきちっと人間として作家として対して下さった。
★その事が嬉しかった。
★やがて、私が劇団ギルドを造り「やっとなんとか芝居の劇団を造り芝居がやれるようになりました」と報告したら
喜んで下さった。
★あの万年筆はもったいなくて使えませんと言うと「どんどん使ってください。万年筆は書くためにあるんですよ」と言われた。
★井上ひさしさんとはそういう人だった。
★いまだにもったいなくて、万年筆はしまったままだ。
★あれほどの天才でありながら、腰の低いやさしい人は他にいない。
★何回かご招待したが、勿論お忙しく吾が芝居を見に来て下さる事は果たせなかった。
★でも丁寧な忙しくて観劇出来ない旨の便りをいただいた。
★素晴らしい作家であり、すてきな人だった。
★ほんとうに残念である。なんと人生は残酷な事を時におしつけるのか。
★ご冥福をお祈りいたします。
★井上ひさしさん。ありがとうございました。あなたに励まされわたしは今、芝居をやっています。
★頑張るしかないなベイビー!
★あと何回芝居が打てるか知らないが頑張るしかない。
スポンサーサイト