時代考証の誤り

★写真は江戸東京博物館での、脚本展関連行事の殺陣です。
★なお、殺陣の講座は本日11日も江戸東京博物館一階会議室で13時30分~15時まであります。
★入場無料ですので、是非いらしてください。
★さて、本日(こっちは10日の事)は、江戸東京博物館で静岡からの親友2人と待ち合わせ、脚本展を案内した。
★そのうちの一人が展示されている小生の書いた昭和最後のラジオドラマ「アルバイト探偵」を見て、「とうとうタカヤも博物館に展示されるようになってしまったか」と言った。
★まだ現役のつもりなのに、そういわれると、ラジオドラマの仕事がもう終わってしまったような感じがして、なんとも複雑な思いがした。
★博物館を出て両国で3人で食事をする。その後浅草橋に出てコーヒーを飲み語る。
★彼ら2人は静岡高校時代のハーモニカバンドの部員の集まりが東京であるという事で、一人は静岡からもう一人は厚木から久々に出て来た。
★話は尽きないが、その会合があるので、2時半頃別れる。
★そして新宿経由で帰還。
★帰りついて夜フジTV50周年記念の三谷 幸喜作の「わがやの歴史」第2話を見る。
★昭和26年の血のメーデーのシーンでデモに行く学生が、ヘルメットをかぶつて行ったのには驚いた。ありえない。
★「おい、学生がヘルメットをかぶつてデモに行き出したのは60年代も後半にはいってからだぞ」とつっこみが思わず入る。
★なぜなら頭に何もかぶらずデモで機動隊にボコボコ警棒で殴られていたころ、小生は全学連での幹部だった友に「なんでヘルメットを被ったり対抗して棒を持ってデモしないんだ」と疑問を呈したくらいだったのだから。
★しかも、ドラマの昭和26年のアジテーションの看板には「反戦」等と言う短縮語が平気で書かれている。これもありえない。
★反戦とか反帝とかの省略語がはやりだしたのも、1960年代の後半からである。
★昭和26年であれば、「戦争反対」とか「戦争を二度と繰り返すな」と書くのが正しい。
★しかもこの年、出演者の一人が「古川ロッパのようなコメディアンになりたい」等という。しかも「オーディションをうけて」
★この時代コメディアンとか、しかもオーディションとかの言葉は日本に存在しない。喜劇役者とか役者になる試験とか以外の横文字は存在しないのです。
★三谷 幸喜が年表を元に造ったドラマなのでそういった誤りがしょうがないとしても、時代考証という役割やディレクター、プロデューサーがいくら50歳代以下だとしても恥ずかしい限りである。
★こういうドラマを安易に放映しているから、ドラマの衰退と言う事がいわれるのである。
★年表にある有名人を都合よく出すのはいいが、言葉の錬金術師であるはずの脚本家が生まれていなかったとか、知らなかったとかで間違いだらけの言葉を使うのは情けない。
★ここは、三谷幸喜と1994年悲劇と喜劇でギャラクシー賞の奨励賞を分け合い、その年の優秀賞を取られた相方だけに、小生厳しくこの点は突いておきたい。
★こういう基礎的な過ちは駄目です三谷幸喜さん。
★嫉妬だってベイビー!
★いいえ、後輩作家への駄目だしです。
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