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年頭に思う事

さくら草2

★写真は我が家で年を越したさくら草です。

★さて、本来なら新年のお祝詞をまず申し述べる処ですが、昨年11月に家人の妹が長い闘病の末亡くなりました。

★義理の妹とは、若い頃家を出た家人と色々の因縁もあり、小生としては迷惑をおかけしたという思いもあるので、仏教徒ではありませんが、喪中という事でお祝詞は遠慮させていただきます。

★本年も日本でおそらく一番少なく、、一番熱く見守って下さるこのブログの読者の方々に、

     本年もよろしくお願いいたします。

★さて、つらつら読み返してみると、(最近認知症の先ぶれなのか、暫く前の事をすっかり忘れる事の多い昨今です)本当にマイナーな事ばかりよく書けたなと思ってしまいます。

★そこで今年も順調に年を取り、大晦日にまた亡くなった同窓生の報もあり(ご冥福をお祈り申し上げます)、今小生はどうなのかという事を少し書きます。

★今は本当に幸せです。例えば毎日風呂に入れる幸せ。暖房の聞いた部屋でPCにこうして言葉を述べられる幸せ。

★こんなとんでもなく自分勝手で稼ぎもない小生に、54年も付き添い、家を捨ててまで、しがらんでくれている家人(家人とは逆説で、74歳でまだ週3日外へ働きに出ています。)がいて。

★ホームレスになることもなく、色々な病気をかかえてはいるものの、信じられないほどの元気さで、あまり意味もなく吠えてばかりいて、生きていること。

★そこそこ書いたラジオドラマで、お国から芸術祭の大賞や、記者会のギャラクシー賞の奨励賞を三谷幸喜と分け合い。喜劇の時代なのでに悲劇を描いた小生は奨励賞どまりで、喜劇の時代なので(そう思い込んでいるのは本人ばかり)その年の大賞を高い谷より三つの谷に持っていかれたり。

★ちょっと自慢みたいで嫌味ですか?はっきり言って自慢です。

★では30歳の時今から47年前、初めて小生の書いたラジオドラマが、NHKで放送された時の話をしましょう。

★今は亡き無口な父が、大喜びして、借金をしている相手の知り合いにも、「今度せがれの書いたラジオドラマが放送されるんです。NHKです」等と電話口で嬉しそうに話していたのを思い出します。

★そして、その初めての放送後いただいたギャラで、脚本家の卵としてスタートしたからには、筆箱ぐらい持たないとなーと文房具屋へ行ったのです。

★子供の頃セルロイドの筆箱を持っていて、ふたが割れて、それを買い替える事等とんでもない経済状態だったので、心の中で
「でも、筆箱は高いからなー」と思っていたのです。

★店の人に「これいくらですか?」とチャックのついた黒い筆箱を手に取り聞くと「600円です」との答えをきき、小生卒倒するかと思いました。

★600円?子供の頃は物価が半分としても2,300円?それが買えずにいじめられたり、当時セロテープなどはなく絆創膏を蓋にはり、からかわれていたのかと思い。唖然としたのです。

★当時多分記憶に間違いなければラジオドラマ40分物、1本書いてギャラは3万5千円くらいだったと思います。

★それでも、筆箱を買うという贅沢をしていいのだろうかと思い。手に取って店員に「これいくらですか」と聞いたのです。

★ことほど左様に幸せとは個人差があり、貧乏に育ったゆえに初めてのギャラで買えた筆箱は、至高の幸せでした。

★当たり前に壊れた筆箱を親から買えてもらっていた人には、絶対に味わえないことです。

★またあの観光地で有名な羽衣の松がある清水の三保の東海大学の寮に、叔父の世話で居候していたころは、風呂を借りることまでは出来ず。週に例えば一回5人兄弟なので、一人はお留守番。陸路を自転車の前後ろに父が1時間ほどかけて清水港の銭湯へいき。

★母と小生と妹は、ポンポン船で30分ほど揺られながら三保の港から清水港の同じ銭湯へ行きました。

★嵐の後の海の波は高く、小三である小生と小一の妹は船べりで、海に吐きながら銭湯へ行き、帰りも吐きながらでした。

★それに比べれば、あちこちの痛みを自分でリハビリを湯の中でやりながら、毎日風呂に入れることの幸せは至高の幸せです。

★風呂に入れることが当たり前の人には、この幸せは絶対味わえないのです。

★皮肉でもなんでもなく、こうした日常の一つ一つが幸せです。

★そして、こうした過去の事はほとんど形を変えたり、事実に沿ったりしてラジオドラマや芝居にしてしまったのです。

★「だったらもう充分でしょ」と家人は言います。

★いいえ、十分ではないのです。

★そうした日本の戦後の、頑張って成し遂げた経済成長とは別の、戦後没落、墜落していった少年や少女や頑張っても時代の流れに乗れず、どうすることもできなかった、親たちのドラマをもっと多くの人に伝えなくては死にきれない思いがあるのです。

★小生の戦争反対は概念ではありません。体験から戦争は反対なのです。なぜなら、戦争は終わってもなお、何十年も弱いもの力の無い者、運にみはなされたものに、のしかかるからなのです。

★なぜ何十年も…その話は長くなるので、またの機会に。

★皆さんコロナ等に負けてはいけません。頑張って乗り切りましょう。コロナで儲けている奴らにだまされるな。

★奴らとは誰かわかるね、ベィビー!本日これまで、また気が向いたら。



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theme : 日々のつれづれ
genre : 日記

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プロフィール

G.C(グランド・キャノニオン)

Author:G.C(グランド・キャノニオン)
G.Cことグランド・キャニオン・ビリーブ・ミーこと高貴な谷、つまり 高谷信之のこれはブログです。

G.C(ジードットシー)は1972年からNHKラジオドラマを約80本書き、映画、テレビ中学生日記等主にNHkのシナリオを手掛ける。【ラジオドラマ】「枝の上の白色レクホン」では、芸術祭大賞をとり同じく『天主堂』ではギャラクシー賞優秀賞をとる。
また若者たちと劇団ギルドを1999年に立ち上げ、20年続け、37回公演で2018年秋解散した。70代後半に向かい、演劇のプロジェクト、あくなき、小説・演劇・シナリオの挑戦創造に賭けており、また日本放送作家協会の理事は岩間良樹理事長の時代より20年以上続けた。
他に長崎県諫早図書館・壱岐未来座等のシナリオの書き方、演劇の演出講師、指導等もしている。

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