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芝居の感動とは?

十二双からの富士A

★写真は十二双川から見た富士山です。

★昨日の続きである。

★昭和30年代、かまどを使って、薪で、ご飯やお鍋をかけて、炊事をしていた。

★共働きの為、おばあちゃんが家出をしてしまってから、いつも妹が夕飯の支度をしていた。

★竈(かまど)に続く煙突がつまっていて、火吹き竹で空気を吹くと、煙が逆流して来て、妹は煙の為にむせて、涙を流しながら飯を炊いていた。

★それは、中々小生が煙突掃除をやらなかったからだった。

★それでも限界と見ると、屋根に登りエントツ掃除をやった。

★晴れた日には屋根の上から富士山が見えた。写真のような富士山だ。右側の肩に宝来山のでっぱりが、少しある。

★山梨や東京の人には悪いけど、この富士山が本物のの富士山だと思っている。

★これより前、清水市のあの天女が舞い降りた三保の松原の東海大学の寮に居候していた時も、三保の松原から見た富士山は右肩が出っ張って居た。

★冬の間は比較的風が強く、富士山に雲のかからない日は多かったが、冨士山が丸ごとくっきりと見える日は一年に数えるほどしかなかった。

★富士山がくっきりと見えると、なんかラッキーでいい事があるような気がした。

★もつとも気がしただけの日が多かったのだが。


★さて、本日は執筆の合間、下北沢の楽園に別役実作のメリーさんの羊を見に行ってきた。

★三谷 昇さんと、山口眞司さん。井出みな子さんの3人の芝居で、素晴らしい芝居だった。

★稽古を1回拝見し、「フシギナ芝居だ」と思い、2回目に楽園で見たときは「怖い芝居だ」と思い、今回は「なんと悲しい芝居なんだ」と思った。

★別役さんの初期の作品には、私も新劇団自由舞台で「象」の男2の役で出ている。
この頃の別役さんの芝居は、どろどろしていて、人間が色濃く葛藤しているような芝居だった。

★勿論鈴木 忠志の演出とあいまって、そのような舞台だったのかもしれない。

★別役さんの芝居は、男1とか女2とか記号化された人物が出てくる。出てきて、一見唐突な日常の挨拶の繰り返しや、代名詞の繰り返しが多い。

★すると読み取る側が、どこかで錯覚して、乾いたパサパサの人物を演じようとか、演じさせようとかしてしまう。そこが間違いの元ではないかとわたしは密かに思っている。

★好みにもよろうが、私が感動した別役さんの舞台は大抵、人間が舞台上で泥臭く生きている芝居だ。

★それにしても三谷さんの存在感はすごい。圧倒的な存在感とはこのことなのだろう。

★すでに77歳くらいになられたという。

★帰りがけ、劇場の上で、三谷さんが、何かを差し出すので、何かと思ったら、御自身で、ペイントされた石だった。その石をわたしに下さった。

★石には帽子を被ったピエロが笑って描かれていて、三谷さんのサインもローマ字で書かれている。

★三谷さんは画家でもある。

★わたしは。飛び上がるほど嬉しかった。だが、飛び上がらず、お礼を言うのが精一杯だった。

★随分昔、30数年前、演劇集団円のアトリエ公演で拙作で演出して、仲谷 昇さんが主演をされた舞台で、「俺は今回出られないけど美術ならやってもいい」とおっしゃって美術プランをやっていただいて以来のおつきあいだが、まさかこんな宝物がいただけるとは・・・・・

★我が家にもやっと一つ宝物があることになった。

★そして、この芝居を見て、やはり、芝居は本当に「あゝ、今日この芝居を見られて良かった」としみじみ感動するこういう芝居でなければ、駄目だと改めて思った。

★本の世界が深く。俳優がそれぞれ魅力的で、こちらの胸に感動がひたひたと押し寄せてくる芝居。

★それが芝居だ。それこそ芝居だ!


★そう、そんな芝居を目指して、いい本を書くぞ、ベイビー!
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theme : 演劇
genre : 学問・文化・芸術

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プロフィール

G.C(グランド・キャノニオン)

Author:G.C(グランド・キャノニオン)
G.Cことグランド・キャニオン・ビリーブ・ミーこと高貴な谷、つまり 高谷信之のこれはブログです。

G.C(ジードットシー)は1972年からNHKラジオドラマを約80本書き、映画、テレビ中学生日記等主にNHkのシナリオを手掛ける。【ラジオドラマ】「枝の上の白色レクホン」では、芸術祭大賞をとり同じく『天主堂』ではギャラクシー賞優秀賞をとる。
また若者たちと劇団ギルドを1999年に立ち上げ、20年続け、37回公演で2018年秋解散した。70代後半に向かい、演劇のプロジェクト、あくなき、小説・演劇・シナリオの挑戦創造に賭けており、また日本放送作家協会の理事は岩間良樹理事長の時代より20年以上続けた。
他に長崎県諫早図書館・壱岐未来座等のシナリオの書き方、演劇の演出講師、指導等もしている。

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