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私演劇48もしくは映画5

蛍舞台風景2

★写真は「蛍よ・・・妖しの海を翔べ」の舞台です。 撮影 向 操

★私と演劇48 「私と映画5 観客として」

★さて、前にもふれたかと思うが、私が初めて映画を観たのは嵐 寛十郎の「鞍馬天狗」とジョニー・ワイズミユーラー「ターザン」であったとおもう。その前に今井正監督の「ひめゆりの塔」という映画につれていってもらい、見ているうちに気持ちが悪くなったのが初めかもしれない。

★ただ、鞍馬天狗とターザンは、長野県の須坂市の駅前の電気館という映画館に一人で観に行った。昭和25乃至は26年頃のことである。この頃親たちは働くのに忙しく、子供を映画に連れて行ってやるという時間と余裕はなかった。それゆえ、なにがしかの入場料を握らされ、学校が終わってから1里ほどある雪道を一人で歩いて観に行った。

★これはしかし、小学校2年が3年の子供にとっては大冒険だったのである。歌の文句じゃないけれど正に「行きはよいよい、帰りは恐い」である。行きがけは学校終ってからの昼間であるから、日も出ている。しかし、映画を観終わって、帰る頃にはとっぷりと夜の帳が下りて、雪道は自分の身の丈より高く、道の両側にそそり立っている。

★しかも、当時は街燈がそれほど整備されていない。というより、ほとんどないのである。そんなまっくら闇の雪道を時には吹雪の時もあり、一人で7歳か8歳の子が雪にまみれて4kmの夜道を帰ってくるという事は大変な事だった。

★さっきまで見ていた鞍馬天狗もターザンも決して助けに来てはくれない。でもその恐ろしさを毎回わかっていても、映画が新しくなるたびに映画館に行った。今でも不思議に思うのは、テレビもラジオの案内もなく、ましてぴあとか映画の紹介誌もないころ、どうして、「ターザン」や「鞍馬天狗」の上映しているという事を知ったのかということである。

★おそらく大人(多分親が)がここで、これをやってるから、観に行ってくるかい?と忙しい中で教えたに違いない。両親ともいない今では、たしかめる術もない。

★このようにして、私達の世代にとっては映画は唯一の夢の道具であり、それを又手に入れる為には、スイッチをひねるとか、電源を入れるなどという簡単な事では得ることの出来ない、大変厄介で、冒険心のいる代物だったのである。

★小3の冬、一家が静岡県のあの天女が舞い降りた三保の松原に引っ越してきて、暫く映画は見られなかった。三保に映画館はなかったからである。

★当時東海大学の教授をしていた母の兄、つまり叔父が大学の寮に居候として部屋を手配してくれたからである。

★父も長野の須坂での日本測定器という後のソニーの前身の軍需工場の残務整理をまかされ5年かかって、撤廃と解体処理をやり終えた。

★広大な土地に地元の反対を説得して長野刑務所を誘致したり、大変な事をやったのだけれど、東京に出た新生ソニーにとってはもう必要のない人間にされてしまった。

★そのため、静岡から横浜方面に就職を依頼し、一家をとりあえず三保の叔父さんに預けたのである。

★そしてそこも3か月ほどで、いられなくなり、静岡市へ一家は移る。 公営アパートの二室が借りられるはずが、引っ越す人が事情でやめたとかで、その一室6畳一間に横浜に稼ぎに出た父を除いて一家6人が住み着く事となる。

★そこでまた、親の目や金を盗んでは映画をよく見た。新東宝の映画が何故か多かった。森繁久彌の売り出しの頃のモノクロ映画で木下藤吉郎を描いた映画や、失業したサラリーマンを演じる森繁には子供心にも、この人は天才だと思わせる何物かがあった。

★後年森繁久彌さんと日曜名作座の仕事(脚本)が出来たことは感無量であった。

★話はそれるが、劇団の若い24と25歳の2人はモリシゲヒサヤを知らなかった。知らないでは話は続かない。唖然としたが、もうそういう時代なのかもしれない。

★若尾文子や南田洋子がセーラー服で出てくる「十代の性典」等も小学生の身で見た。どんな内容かは忘れてしまったので、後年三軒茶屋の有るところで上映するというので、確かめるために観に行ったら、運悪く映写機が故障してしまい、見る機会を失した。

★題名がすごいだけで、それほどエロい作品とも思えないが、いまだに分からない。DVDは出ているのだろうか・・・・

★長くなったので本日はこれまで。続きは次回。

★今日はテレビ朝日アスクの新学期のシナリオ講座の日で、2時間熱弁をしてきた。

★実は4日ほど前から体調を壊していたが、案の定具合が悪く、本日医者へ行った。抗生物質を飲み1週間様子を見ることになった。

★まあ、大丈夫だろう。何があってもおかしくない、年ではあるが。

★本日これまで。お休みベィビー!また明日。
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プロフィール

G.C(グランド・キャノニオン)

Author:G.C(グランド・キャノニオン)
G.Cことグランド・キャニオン・ビリーブ・ミーこと高貴な谷、つまり 高谷信之のこれはブログです。

G.C(ジードットシー)は1972年からNHKラジオドラマを約80本書き、映画、テレビ中学生日記等主にNHkのシナリオを手掛ける。【ラジオドラマ】「枝の上の白色レクホン」では、芸術祭大賞をとり同じく『天主堂』ではギャラクシー賞優秀賞をとる。
また若者たちと劇団ギルドを1999年に立ち上げ、20年続け、37回公演で2018年秋解散した。70代後半に向かい、演劇のプロジェクト、あくなき、小説・演劇・シナリオの挑戦創造に賭けており、また日本放送作家協会の理事は岩間良樹理事長の時代より20年以上続けた。
他に長崎県諫早図書館・壱岐未来座等のシナリオの書き方、演劇の演出講師、指導等もしている。

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