私と演劇47もしくは映画4

★写真は「蛍よ・・・妖しの海を翔べ」の舞台です。 撮影 向 操
★私と演劇47 「私と映画4 追憶という映画」
★1994年の事である。しばらく映画の本編から遠ざかっていた橋浦 方人監督から声がかかって、東映で映画をとるから脚本を手伝ってくれないかという事になった。
★映画は総務庁の企画による映画で「追憶―二十五年・その夏」という本格的な映画だった。
★映画屋の伝統とも言うべき、旅館に籠って監督と脚本を書くという作業が始まった。場所は銀座の古い旅館で、助監督が箱書きの小さな紙を壁に30枚ほど貼って討論しつつ書き進めていくという方式だった。
★ちょっとこれには参った。今まではテレビにしろラジオにしろ、あらかじめ打ち合わせを十分にして、家に持ち帰り原稿を書き、出来上がった第一稿を提出して、検討討論をして、更に持ち帰り書き直すという手順だった。
★しかし監督との(あるいは相手が監督でなくとも)共同脚本である以上は、こういう書き方でなくては進まないのかもしれない。
★日頃の習慣から、自宅へ持ち帰りしかもできれば誰も寝静まった深夜、パソコンに向かいセリフやト書きをひねり出すという方法に慣れてきた身としてはどうにもアイデアや、いやアイデアはともかくとしてセリフ等が書き進めない。大分苦労をした覚えがある。
★また橋浦監督は小生の後輩でもあるので、気心が知れすぎていて、逆に設定とかセリフに関しては意見が対立するとお互い譲れないという側面もあった。
★そのため、京橋の東映の本社で、時に社員が仕事をしている部屋で大声で言い争いになり、社員に呆れられたりもした。
★しかし、結果的に脚本は優れた物になったと思う。主役には氾 文雀さんを推薦し、たまたまそれが通り、林 隆三さん等も競演して、自画自賛になるが、ドラマとしては実に良質な一般の映画館でも上映したいほどの作品になった。
★プロデューサーの岡田 順徳さんも相当に頑張って、千葉のロケの他に東映にこの種の映画では異例のセットを組んで撮影した。お蔭てこの作品は相当の赤字になったらしい。
★物語は25年前に文学賞を撮った青年とその恋人がその歳月を経て再会し、その娘も絡んでくるという淡くまたビュアーな世界を描いた。
★ラジオドラマの執筆と重なっていたせいか、そう何回もいけなかったが、何回か撮影所に見学に行き、演技のアィデァなども出した。
★ワンシーンであるが、セリフの無い背景的な役も演じさせてもらった。
★相対的に戸惑う事もあったが、中身の濃い良い仕事をさせてもらった。
★橋浦監督は地味だが淡々と人間を描く事の出来る稀有な監督で、現在の処自主映画「置けない日々ー青春散歌ー」を除いて「星空のマリオネット」「海潮音」「蜜月」「追憶ー二十五年・その夏」しか監督していないが、本当に惜しいと思う。
今からでも遅くない、是非、集大成の作品を作ってほしいとひたすら願う日々だ。
★またこの映画は監督を除き氾 文雀さん林 隆三さんとプロデューサーの岡田さんまでが亡くなり、何ともさみしい限りである。
★特に氾さん林さんとはラジオドラマで何回かご一緒に仕事をして、本当にいい役者でもあり残念な事であります。
★1990年代は本当に忙しくテレビ・ラジオ・映画と仕事をさせてもらったけれど、この映画は散々苦労したという事もあり、心に深く残る仕事であった。
★本日は夜北千住のシアター1010のミニシアターで、平石 耕一事務所の芝居「自り伝(ひとりでん)」其之弐~江戸編を観に行きました。江戸時代の反逆医師安藤 昌益を扱ったシリーズの2で、今回は珍しくミステリー仕立ての運びに実に深いテーマを盛り込んでの舞台で、本当に面白く拝見しました。
★ただ、こんなにいい芝居なのに、お客が少ないのが残念でなりません。
★まだ始まったばかりで、24日14時 19時。25日14時26日14時とやっています。
★興味のある方は是非! 見て損のない芝居なので是非どうぞ。
★芝居の後暫時一緒に飲み歓談しました。
★本日これまで。お休みベィビー!また明日。
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