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私と演劇29

「蛍稽古A

★写真は「蛍よ・・・妖しの海を翔べ」の稽古風景です。

★私と演劇 「29 本当のオリジナル」

★さて、ラジオドラマと並行して、八騎人の芝居は4作目に入りました。

★太平洋戦争末期長野県の松代の近くに大本営の地下壕を掘ったという話があり、それをもとに架空の東京郊外に大本営の地下壕があり、それを掘る工事をした人間が皆殺しにされて、怨霊となって蘇ってくるという芝居を書きました。

★これは芝居としては1作目の脚色でもなく、2作目の歴史の年表もなく、3作目の土台となるような自分の小説もない、完全なオリジナルの芝居でした。

★「野晒風道(のざらしふうどう)」と題した芝居はしかし、本当に書き上げるのに苦しみました。ある意味小劇団の芝居はラジオドラマより、登場する人数の制限であるとか、セットや衣裳に関する制約がありすぎます。その上にあらゆる補助的な松葉杖などなしのオリジナルを産み落とすという地獄のような苦しみを味わいました。

★半ばノイローゼ気味になって書き上げた作品は、異様に暗く、怪奇的で、何を言わんとしているのかさっぱりわからない作品になってしまいました。今考えてみても失敗作であったと思います。

★また主演する女優がなかなか見つからず、いかにもそういうタイプではない人を主人公の女に当てはめたので、殊更舞台にも魅力が出なかったのです。

★この頃は本当に書くという事の壁にぶつかり苦しい時でした。そんな時が半年~1年続いたと思います。その間ラジオはIさんに東海道線の大垣行の最終列車に乗って名古屋まで取材に連れてっていただき、「ふる里まとめて花一匁」という作品を造りました。

★初井言江・森本レオ・神保共子・富田耕太郎等芸達者な人たちが出演してくれて、東海道線の夜11時過ぎに東京駅を出る列車に実際に乗っての取材でした。

★ともかくラジオドラマで取材に行けたのですから、本当にうれしくわくわくしていたものです。

★名古屋で明け方に列車を降りて、旧庁舎のNHKの名古屋局へ連れて行ってもらいました。

★そして、名古屋局の方を交えて、おいしい食事などもいただきました。後にテレビ「中学生日記」の仕事で新庁舎のNHK名古屋にお世話になるのですが、その時はそんなことは想像もしていなかったのです。

★名古屋は昭和20年頃の大空襲の折ちょうど長野の軍需工場(ソニーの原点でもある日本測定器)の用事で親父に
つれられて、2歳の私が来たのだそうです。

★おりしもB29による爆撃、焼夷弾が夜空から降ってきて、防空壕に入れようとすると、私は夜空を焦がす焼夷弾の光がきれいだったのか、「キャッキャ」と喜んで、中々防空壕に入らなかったそうです。

★勿論二歳なのでその時の記憶はありません。でも名古屋は何ともそうした因縁の有る場所だったのでした。

★この時のラジオドラマ「ふる里まとめて花一匁」は、夢破れて、それぞれ故郷に帰る人たちを乗せた列車で、最後の落ちは酔っぱらった出稼ぎに失敗したおやじだけが生きていて、ほかの3人は皆幽霊だったという結末でした。

★この作品は何故かそんなに書くことに苦労したという思いではありません。列車に乗りながら、或いは一泊した帰りの新幹線でIさんといろいろ話して、ストリート骨格がほとんど出来上がっていたからかもしれません。

★苦しんだ芝居とは大きな違いでした。

★ただ、ラジオドラマが簡単だという事では決してありません。ラジオも別な意味で聴取者に絵が見えてこなければいけないので、ある意味テレビドラマよりずっと難しい創作媒体なのです。

★今回はこれまで。

★今日は夜、テレビ朝日アスクの2014年度後期の生徒の卒業講座の日で、高桐さんの講座に南川さんとおじゃまして、ほんの15分ほどしめくくりを話して、後に10人程の生徒と居酒屋で卒業の飲み会をやりました。

★今回の生徒たちは大変辛抱強く、最後まで、落伍者が出なかった珍しい期でもありました。彼らの健闘を祈らずにおれません。

★それでも意外に早く終わって、西武新宿まで来ると、所沢での人身事故とやらで、電車が止まっていて、西武新宿駅で1時間以上待たされました。

★それはいいのですが、事故後の対応が悪く、こちらはホームの前列で走り出してから2つも待っているのに、例えば高田の馬場から不正乗車で西武新宿に着く折り返しの列車の席は満員なのに、ラッシュ時のように一度そういう人たちを下して整列乗車をさせるということをおこたったり。

★高田馬場で動き出した列車が満員なのに、人員整理のストップをかけず、遅れているという弱みの所為か詰め込むだけ人を詰め込んで、朝のラッシュ以上の混雑だったりと、駅員の不手際が目立ちました。

★事故はしょうがないと思います。事故が起きた後、マニアルにばかり頼ってきちっと臨機応変な対処が出来ないのです。

★こういう処が日本の私鉄の良くない処です。おかげて11時前に西武新宿に着いたのに、帰り着いたのが2時近くになってしまいました。

★本日これまで。おやすみベィビーまた明日。
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プロフィール

G.C(グランド・キャノニオン)

Author:G.C(グランド・キャノニオン)
G.Cことグランド・キャニオン・ビリーブ・ミーこと高貴な谷、つまり 高谷信之のこれはブログです。

G.C(ジードットシー)は1972年からNHKラジオドラマを約80本書き、映画、テレビ中学生日記等主にNHkのシナリオを手掛ける。【ラジオドラマ】「枝の上の白色レクホン」では、芸術祭大賞をとり同じく『天主堂』ではギャラクシー賞優秀賞をとる。
また若者たちと劇団ギルドを1999年に立ち上げ、20年続け、37回公演で2018年秋解散した。70代後半に向かい、演劇のプロジェクト、あくなき、小説・演劇・シナリオの挑戦創造に賭けており、また日本放送作家協会の理事は岩間良樹理事長の時代より20年以上続けた。
他に長崎県諫早図書館・壱岐未来座等のシナリオの書き方、演劇の演出講師、指導等もしている。

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