私と演劇15

★写真は「蛍よ・・・妖しの海を翔べ」の稽古風景です。
★私と演劇 「15 芝居の後に・・・」
★何とか好評のうちに終り、黒字も生み出したJPサルトル作の「汚れた手」の公演が終わりました。
★実を言うと小生、その頃ある女の子と同棲していました。
★今と違って同棲がある程度公認されていた時代ではなかったので、ひっそりと、例えば住む場所も、私鉄と私鉄の間のバスに乗らなければたどり着かないような、少し友達が訪ねてきにくい処を住処としていました。
★勿論相手の親には内緒でしたが、結婚を前提に付き合いますとちゃんと彼女の親にも挨拶をして、そのつもりでありました。
★私が演出し彼女が「汚れた手」に出演していて、勿論みんなは多分吾々が付き合っているという事は知っていたと思います。ただ同棲してるとは思っていなかったのです。
★公演が終わって、彼女が主役のK君を好きになり、相思相愛となってしまったのでした。
★うかつにもそれを知らない小生はある日、小生の芝居とは関係のない男友達が泊まりに来ることになりました。
★その時、彼女がわたしは良く知らないおとこの人だから、今日は女友達の処へ泊まりに行くと言い出しました。
★何の疑いもなく、高田の馬場の駅まで送っていった小生。にこっと笑って手を振って山手線で池袋方面に行く彼女。でも後でわかったのですが、その夜彼女は池袋でK君と待ち合わせて、ホテルへ行ってしまったのです。
★まだ携帯などまったくない頃の話です。
★翌日家に泊まった友を送って、彼女がお世話になっているはずの女友達に電話をしました。「いいえ、Tちゃんはここ半年程家に泊まりには来ていませんよ」との返事。
★目の前が真っ暗になったのを感じました。
★やがて会った彼女を問い詰めると、彼女は「実はしばらく前から・・・・」と白状しました。私はK君とT子と3人で会って話しをしました。
★K君は小生と彼女が同棲していたことも知っていたのですが、あやまりもせず、ケロッとして「僕は遊びですから手を引きますよ」と言い放ったのです。
★彼は後輩でもあり、主役に抜擢してやったというこちらの思いもあったので、激怒しました。でも激怒してそのまま許し終わらせようとしたのです。
★でもそれから1週間もしないうちに、彼らは手に手を取って彼女の故郷仙台へ行ってしまったのです。
★私は、もう気力もなく怒る気もしないような状態で闇の底にたたずんでいるようでした。。
★その時九州男児の先輩が「お前そんなことされてもまだ彼女が好きなんか?」と私に聞きました。「好きです」と私。
★すると先輩は、リクルート用のスーツを質屋に持って行き、お金を造ってくれて、「この金で仙台へ行って女を取り戻してこい」と言ったのです。
★私は泣きながら、切符を買い、寝台車で仙台に向かったのです。
★今思うとそんな状況に関わらずある意味、何もかもが温かくゆるくいい時代だったと思います。
★本日これまで。おやすみベィビー!また明日。
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