桃井さんの執念

★写真は広尾界隈です。
★さて、本日は夜、恵比寿のテアトロジャージャンで行われた、桃井章さん作・演出のデンティストと言う芝居を観に行きました。
★桃井さんは地下鉄乃木坂に有ったコレドというバー&シアターを閉店してから、数か月恵比寿に小さなバージャージャンを開店し、ほとんど芝居の出来るスペースではなかったのにもかかわらず、様々な工夫をして、この芝居の公演に至ったのです。
★それだけでもすごいが、今回の芝居は濱田 晃さんと水沢有美さんの好演も相まって、素晴らしい芝居に仕上がっていた。
★ポルトガルへの果てしない思い。桃井さんの祖母愛称ジャージャンに寄せる思い。何年来と行きつけの美人歯医者さんとの妄想を交えた思いなどが複雑に絡んでいるのだが、そうした熱い思いが説明的でなく、素晴らしい回転をみせて、観る者の心を揺さぶる。
★実にしゃれた大人の芝居になっていた。
★そういえば最近大人の芝居は少ない。大人が芝居を書いたり演じたりしなくなったからだ。
★桃井さんが長く経営していた乃木坂のコレドでは、随分吾がギルドもお世話になり、約50ステージ程拙作の「誰?」と言う作品を公演させてもらった。
★ギルドのメンバーはその舞台で学んだ事はとても多かったと思う。
★それよりなにより、短期間に執念を持って、本来は芝居を打てない空間で30名程のお客を入れて、外の東京タワーの見える夜景や、ガラスの窓。そしてブラインド等を旨く使っての1時間と少しの舞台空間。
★実に不思議な時間の旅と、空間へのいざないを含んで、生きるとは何かを問いかけてくれるようないい芝居であった。
やろうと思えば、芝居は何処でもできるのだという事を示してくれた舞台でもあった。
★浜田 晃さんは早稲田の演劇科の先輩で、自由舞台と言う劇団で活躍されていた。
★当時私も自由舞台の卒業生が造った新劇団自由舞台で役者をやり、劇団こだまで演出をやっていたので、早稲田の自由舞台とはいささかのつながりがあったのだけれど、今日は数名の自由舞台のOBが偶然見に来られていた。
★名刺を渡して、少し50年前の事を話した。なんでも早稲田の学生劇団の歴史を本にまとめている方がいて、後日その方が色々伺うかもしれないとの話迄出た。
★小生より、4,5歳上の先輩の様だったが、皆さんお元気でほっとした。
★と言うのも、当時の先輩で芝居を教えていただいた何人もの方がもう鬼籍に入られているからだ。
★よくそのあたりの地理が分からないので、恵比寿から広尾の駅に歩き、地下鉄で恵比寿に言行って、新宿経由で帰ってきた。
★やはり、東村山と恵比寿はかなり遠い。遠くてもいい芝居を見れた日は楽しい。
★それでも都心とは2.3℃温度が違うのか、帰りの自転車では上着を着ているのにひやっとした。
★今年の秋は早い。
★本日これまで。お休みベイビー!また明日。
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