浅草で芝居~新宿へ

★写真は浅草から見るスカイツリーです。
★さて、本日は午後、有馬銅羅魔と言う集団の別役 実作「場所と思い出」を浅草リトルシアターのマチネーに観に行きました。
★別役 実さんの初期作品の頃、もう半世紀も前ですが、小生役者をやっていて、未だ処女作の「象」が本になったか、いや未だならない頃、鈴木忠志演出の下、その芝居の再演で男2を演じました。
★初演は東京の俳優座劇場でしたが、再演は京都の八坂会館でやったのです。
★相手役の男1が演出の鈴木忠志で、小生は19歳の新人。本番で小生別役さんのセリフを約1ページ飛ばしてしまって、ものすごく落ち込んだのを昨日のように覚えています。
★旅先だった事や、私がメンバーの中で一番の新人であったこともあり、公演後宿舎の京都大学の寮で落ち込んでいると、いつも厳しい鈴木忠志が近寄ってきて、「高谷君、ま、色々あるよ、気にするな」と慰められ、もう行き場所が無くなったような気がしました。
★そういう時はいっそ「バカヤロー、何でセリフを飛ばすんだ!芝居が台無しじゃないか!」とでも怒鳴られれば、逆に救われたのにと思った事でした。
★そんな初期の時代の別役 実さんの舞台は鈴木忠志の演出という事もあって、実にリアルで生々しい舞台でした。
★ところが別役さんが鈴木忠志と袂を分かってからその芝居は、次第に情念のようなものから離れ、ぱさぱさで螺旋状に舞台が一回転し、何処へも行き場所を失くして戻ってくるような芝居になってきました。
★作家ご本人はその状態を容認なさっていたのかもしれませんが、小生としては食い足らない感じが常に付きまとっていました。
★ものすごい数の作品を書かれているので、この「場所と思い出」はどのぐらいの時期の作品かは分かりませんが、今回の舞台は、小生にとってある種懐かしくもあり、生臭く、怖いリアリィティーの有る舞台でした。
★久々に別役作品でツボにはまったという感じでした。
★小生の尊敬する牧瀬 茜さんも過不足ないリアルな演技で大変感動しました。
★マチネーの終わった後、小一時間牧瀬さんと珈琲店で話をして別れ新宿へ。
★しばらく書店で時間をつぶした後、7月の公演でスタッフとして手伝ってくれたK君とH君等と久々に会いました。
★飲みながら次回公演の事や現在の彼らの生活を含めた状態を聞き、また熱く演劇やその他について語り合いました。
★年を忘れて、まるで学生に戻ったような楽しい会話の一時でした。
★けっこう長いが、アッと言う間に終わったような不思議な1日でした。
★本日これまで。お休みベイビー!また明日。
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