戯曲審査

★写真は京都水族館のイルカショーです。
★さて、本日は締切真近のさる戯曲コンクールの審査の朗読に暮れました。
★まだ完全に読み切ってはいないのですが、どうもこれといってショックを受けるような作品にぶつかりません。
★同じ劇作家として、やはり、びっくりして焦るような作品に出合いたいものです。
★演劇に限ったことではありませんが、大体の表現は例外を除いて、少なくとも100名以上の(というのは20名5ステージと少なく見積もってです。)お客様に見ていただくという前提で書かれているはずです。
★そうではなく、観客を想定していない芝居はありえないと思うのです。
★であれば、100人とはすごい数で、その方々に何かを訴え、何かを笑っていただき、或いは何か泣いていただき、さらには挑戦したり、感動をしてもらうために演劇は存在すると思うのです。
★それを考えると、繰り広げられる世界が実に小さなどうでもよいことばかりで、芝居の本来持つパッションとかダイナミズムとか底なしのおかしさが全然ないのです。
★若い人(応募者は年を召した人もいるかもしれないのですが)としては荒削りでも、何処か途中が部分的に破たんしていてもいいのですが、スケールの大きい話。あるいは深く人間の真相をえぐった劇がないのが、審査員としては本当にさびしい限りです。
★それはこの先30年も生きられるのなら(そんなに生きたら100歳を超えるぜ)どんなに劇作の状況が貧しくても、俺に任しとけ!と大ぼらも吹けるのですが、後何本芝居が書けるかなと真剣に考えねばならない年齢。
★若者たちよ、もっと想像力と創造力をもっと働かせてほしいと思うのです。
★明らかにどう考えても、シェークスピアもチェホフもブレヒトもベケットも読んだことにない人たちが、芝居を書いているとしか思えないのです。
★勿論読まなくとも、それらの作品を凌駕するほどのファンタジーやスケールや笑いがあればいいのですが、それらが足りない。
★携帯とゲームとネットと漫画では表現できないのが芝居の世界です。芝居と言うものの広がりなのです。
★皆さん応募者の方は一生懸命、パソコンで文字を懸命に打って頑張って応募してきます。
★それゆえにほんとうにもっと想像力を広げてほしいと思います。
★こちらも、本当に必死になって読み、必死に良いところを見つけようと審査しているのですから。
★もう一回、改めて、あと3日程応募作品をじっくり読み返してみようと思います。万に一つの見落としがあってはいけないので。
★本日これまで。お休みベイビー!また明日。
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