二人の忘年会

★写真は定点観測多摩湖への道夏編です。
★さて、本日は例によって午後より年賀状の印刷をやる。
★やはり50枚程足りない。
★夕方、コンビニで50枚買い、雨の中駅に向かう。
★師走のめずらしい大雨。
★電車で鷺ノ宮に出て、駅でMさんと会う。
★Mさんは照明の仕事をしていて、古くからの仲間なのだが、大体このところ暮れから正月にかけては一人で妻子を置いて、安いチケットを買って、東南アジアバックパッカーの旅に出る。
★彼は小生と同期で遅生まれなので、既に70歳である。
★この年齢で、宿もルートもほとんど決めないで、暮れから正月10日~2週間、多い時には1カ月もタイとかカンボジア、インド、ミャンマー等を放浪して歩く。
★小生には考えられない行動力と情熱と体力と勇気である。
★小生等は旅行者のルートに乗るパック旅行か、あらかじめ予定をきっちりと決めた旅でなくてはとてもじゃないがこの年では行けない。
★それが今年は1月に入ってから奥さんと一緒にタイに行くという。
★その為暮れに暇ができた。
★多分いくらなんでも奥さんも70の老人を、一人で無謀な旅に立たせられなかったのだと思う。
★そこで多分決然と(つまり強い口調で)「今年はわたしもつれて行ってください」と言ったのだと推測する。
★多分この推測は間違いない。
★だが、この旅はツアーではない。奥さんはまだ彼よりはだいぶ若いにしても、あての無い夫婦貧乏旅行だ。
★しかし本当にすごいと思う。
★一緒に付いて行ってドラマにしたいくらいだ。
★このエネルギーはおそらく今の若い人にはなかなか真似は出来ないと思う。
★芝居の事、様々な事を飲みながらといっても、こちらは弱いので例によって焼酎のお茶割り一杯で、後はひたすら食べるのみ。Mさんは5、6杯はお変わりしたろうか。
★いつもはべろべろになるMさんで、時には冷酷に駅に置きっぱなしで帰ってきてしまうのだが、本日はあまり酔わず、鷺ノ宮の駅で早めに別れた。
★二人の結論は、金は無いけどお互いに芝居をこの年までやれてよかったという事で、まだ続けるという事だった。
★全く周りに居る者は迷惑な話だろうが。
★駅への階段をのぼりながら「でもこれでほんのちょっと暮らしに困らないだけの金があればね」と小生。
★「好き勝手な事ばかりやって、この上金が入ったら罰が当たるよ」と彼。
★「それもそうだな」と小生。
★二人芝居のキャリアを合せると多分95年分くらいになる年寄りの会話で、ようやく今年も終わったような気がした。
★来年も若い奴らには負けねえぞ、若いやつらよりもっと若く過激な芝居を造ってやる。
★というわけで、年賀状350枚は刷り終わったが、1枚づつ1行くらい肉筆であいさつを入れる。
★だから、多分元旦には届かない。
★そこんとこよろしくロックンロール!
★ただし、何も肉筆で書いてなくても怒らないでほしい。
★それは愛がないのではなく、ただ年寄りで疲れはててしまった為、印刷の文字だけになったのだという事を。
★本日はこれまで、おやすみベイビー!またあした。
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