古い日本製自転車

★写真中央を走るのは西武線の単線電車である。
★吾が家のベランダの囲いに銃眼のような四角い窓があるのだが、その窓の中を夜は模型のように走っていくのが見える。
★さすがに一眼レフでもうまく撮れないのだが、人から貰った、安楽椅子に腰掛けて、この銃眼のような窓から走り去る電車をぼんやり見ている時が、小生の至福の瞬間だ。
★しかし、そのようにのんびりとした日はめったに無い。
★さて、正月そうそう自転車のブレーキのコードが切れてしまったので、自転車屋が開くのを待って、直してもらいに行く。
★「これは、ゼブラという会社のパブロードと言って、よくもってますよ。奇跡的と言ってもいい」と自転車屋のお兄さんが言う。
★なるほど府中に居た頃買って、もう期限の切れた府中署の観察が着いている。多分昭和の終わりに近い頃買ったので、20年はゆうに経っている。
★いくらかは忘れたが、当時でも大分高かったのを記憶している。
★けっこう、ラジオドラマや中学生日記の脚本でそれなりに稼いでいた頃買って、今も使っている唯一のものだ。
★5段切り替えで、立派な国産車である。今はほとんどが中国製だという。
★もうチエーンカバー等は錆びてしかもベコベコにへこんだりしているのだが、カバー自体部品がなく交換できない。
★錆び落としでもしてやればよいのだが、そんな暇もなく、錆びて朽ちるにまかせている。
★それでもタフな自転車だ。ギヤアを切り替えれば坂道も楽に登れる。
★俺と自転車とどっちが先にくたばるか、まるで老いの競争をしているみたいだ。
★本当は駅まで片道15分の道は、歩いた方が健康にいいのだろうが、右足の親指に余計な浮遊しているカルシュームがあるので、つい、自転車で通ってしまう。一日100円のあずかりで、一ヶ月約2500円程かかるが、この自転車に頼っている。
★昨日考えた事がある。場所は変わってもそこに動かずにあるのに、時だけは過ぎ行けば、取り戻す事は決してできない。
★空間は動かずに居るのに、何ゆえに時は変質し形を変えるのか?
★子供の頃遊んだはずの土を眺めて、そう思った。時が形を失くすなら、空間も無くなるのかもしれない。ただ、空間が消滅する為にはもっともっと多くの時間が掛かるのかと。
★ワカルカナーベイビー!
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