近頃、ドラマ投稿事情。

★写真は水槽の中を泳ぐメダカです。
★さて、ギリギリの創作締め切りの中、某公募作品の審査も締め切りで、本日までに37本の何の賞とは言えませんが、応募されたドラマを読みました。
★本当に根気のいる仕事で、未来の天才、秀才がどの作品の陰に隠れているやもしれず、慎重にきっちりと読み下さなければならないので、苦労します。
★ただ、昨今の傾向としてちよっと恐ろしいのはSF、現代劇に限らず、めったやたらに大量殺人や。殺人のシーンが多く出てくる事です。
★これは書き手の欲求不満とか鬱屈が、こういう表現の形を取らせるのか、それともゲームの中で行われる殺人になれすぎているのかはわかりませんが、たいした動機とか深い怨念もない殺人があちこちに顔を出す作品が37本中全体の3分の1ほどあります。
★これが作品としてまとまりとか、可能性があるものならともかく、ドラマとしてはほとんど態をなしていないので、何か空恐ろしくなります。
★それと、応募者たちは何処かの師匠なり先生に教えられて書く者も多いと思いますが、とにかくべつたりとした日常がそのまま描かれているような作品が多い事にも驚きます。
★ドラマとは日常を描いてもそのちよっとした人と人、あるいは家族と友人の間に繰り広げられる葛藤や亀裂をきちっと描いててほしいと思うのですが……
★始まりから終わりまで、それらしい家族や人間がでてはきても、たいした事が起こらず、最後に相手に好きだと告白するとか、抱き合うとか、あるいは病人や幽霊がただ出来たり……
★安易なタイムスリップが果てしなく繰替えされたりとか、「何を書きたかったの?」「何を多くの人に伝えたいの?」と、問い返したいような作品ばかりが多いのです。
★ドラマはなにがしかの破なり、(序・破・急の破)見る側にとってのカタルシスがなくてはなんにもなりません。
★何の事件がなくてもせめて台詞が研ぎ澄まされた詩的なものであったり、美しい日本語を元にして音楽的につくられているのなら、まだしも、そこいらの電車の中で喋っている高校生や若者の喋り方をそのまま、映したような会話を平気で書きます。
★これでは日本のドラマは衰弱をたどるばかりです。
★思うにしっかりと人間として他人や集団と対峙していない事が、大きな原因なのでしょうか?
★また、そうした生き方自体が出来にくい世の中なので、書く物も小さくなるか、殺伐としてしまうかの両極に走るのでしょうか?
★勿論偉そうな事を言って、お前のドラマはどうなのだと突っ込みが来そうですが……自分の事は棚に上げておいて。
★ともかく新人の特権と言う事を思い、もっと世界観や、大きな価値観や幻想を内包した熱い、あるいは荒くてもこれだけはと言う切実な作品を読みたいものです。
★そうした芝居をきちっと作っていないのではないかという当方の責任も大いに感じて、次なる創作に小生挑むつもりです。
★若いあるいは、若くなくても新たにドラマの世界に挑む人達よ、本当に頑張ってほしい。
★これしかないと言う物をじっくり研ぎ澄まして書いてほしい。
★偉そうな事言つてすみません。内容は言えませんが、37本の中には中々ユニークで素晴らしいセンスのものが3、4本有った事は確かです。
★という一日でした。ベイビー!
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